広がった共感
第33回の例会は9月13日「再興第101回 院展」を鑑賞しました。
同好会としての日本画の鑑賞は、昨年の「院展」以来で1年ぶり。期待に違わず、多くの素晴らしい絵に出会うことができました。日本画の表現は総じて控えめながら、鑑賞者の心の内面に強く訴えかけてくるものがあり、静かな感動を呼び起こします。
上野公園内の東京都美術館で100分の鑑賞会を終えた後、上野駅の「ぶんか亭」で行われた懇親会はいい絵を見た満足感で話も弾み、恒例の「気に入った絵の発表スピーチ」では、同じ絵を気に入ったもの同士の共感の輪が広がりました。絵の見方は自由で気まま。同じ絵でも、人によって好き嫌いはまちまち。同じ好きでも、理由はそれぞれ。お互いの違いを認め合うからこそ、同じ感想を持ったことでの共感はより強くなります。
今年度から新たなメンバーになり、初めて参加した5月の懇親会では小声で遠慮がちにスピーチしていた人も、今回は堂々とスピーチ。何を話してもみんな静かに聞く。他の人の感想を聞いて、自分の絵の見方が広がる。この同好会には、単に絵を鑑賞することだけでない魅力があることを、改めて実感できた例会でした。
恒例の図録の抽選では、鈴木黎子さんが見事当選。
“当選祝い”として、当日の感想文を寄せていただきました。
今回の例会の案内を会員各位に送付したのが7月1日。その約1ヶ月後の8月4日、主催者である日本美術院・理事長の松尾敏男画伯が、肺炎のため90歳で逝去されました。松尾画伯は文化勲章も受章された日本画の世界の重鎮ですが、実はヤマハとの縁も浅からぬものがありました。絵画鑑賞同好会のメンバーで、現役時代にデザイン研究所長として長く「ヤマハカレンダー」の制作に携わってこられた高梨さんが
話された懇親会でのスピーチを このページにも掲載させていただきます。
画伯のご冥福を心からお祈りいたします。(石原勝年)
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